The Yes Men

05Dec06

2005年10月,ハンガリーのブダペストで開催された「Re:activism」というカンファレンスでPhonethicaプロジェクトの発表を行った.Creative Commons Hungaryのローンチミーティングでもあったこのカンファレンスでは,Lawrence Lessig(Creative Commons)やJimmy Wales (Wikipedia)らによるプレゼンテーションやパネルディスカッションを含む濃厚で刺激的なやりとりが行われたが,このカンファレンスのオープニングイベントで上映され,満場の観客から大きな喝采を受けた「The Yes Men」というドキュメントムービーそのグループの活動について,ここで改めて紹介したい.(以下ネタバレあり)

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Andy BichlbaumとMike Bonannoという二人の米国人によって設立されたこの「The Yes Men」というソーシャルハッキンググループは1999年,当時米国大統領候補であったGeorge. W. Bushのオフィシャルサイト,www.georgewbush.com(当時)と瓜2つのフェイクサイト,www.gwbush.comを立ち上げる.彼らはここで,本家サイトで喧伝されていた数々の美辞麗句(例えばG.W. Bushは自身を”The Environmental Governor of Texas”と称していた)を現実に照らして”修正”(前出の文言を”The Governor of the most polluted state in the country”とするなど)してみせる手法でG.W.Bushの諸政策を徹底的に批評した.こうしたプランキッシュな活動がニューヨークタイムズをはじめとする大手マスメディアに取り上げられたことで手法の有効性を確信した彼らは2001年,今度はWTOのフェイクサイト,www.gatt.orgを立ち上げる(現在も存続中).一見本家WTOのサイトとそっくりなこのサイトでThe Yes Menは,WTOが推進する先進国誘導型のグローバライゼーションの拡大に対し,www.gwbush.comの時と同じく”Identity Theft/Identity Correction”という手法でシニカルな批評を行うのだが,やがて,このサイトを本物のWTOのものと勘違いした世界中のオーガニゼーションから国際会議への出席依頼が舞い込むようになる.彼らはその申し出を喜んで引き受けることとし,WTOの代表として各国のカンファレンスに出席し,プレゼンテーションを行う.

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オーストリアのザルツブルグで開催された国際貿易協定に関するカンファレンスでの自由貿易に関する”どこかおかしな”プレゼンテーションを無事に切り抜けた彼らは次第にその内容をエスカレートさせていき,フィンランドで開催されたテキスタイルに関するカンファレンスでは屹立した巨大な男根状の労働者監視モニターを有した黄金の全身タイツを最新のビジネススーツとして大まじめに(そしてもちろんWTOの代表者として)発表することで資本主義社会における「資本」と「労働者」の絶対的な立ち位置の違いを極大化してみせ,米国の大学で催された特別講義においては人間の排泄物を”リサイクル”することで第3世界の飢餓の問題を解決するマクドナルドとのコラボレーションプロジェクトを発表することで,飽食する現代社会が今なお世界の飢餓問題を解決できていないという人類の愚かさを嘲笑する.

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オーストラリアでのカンファレンスにおけるプレゼンテーション(彼らは時にそれを”GIG”と呼ぶ)でWTOの”解散”を発表したのちこのDVDBookletをリリースした彼らはその後も(面が割れないようスキンヘッドにしたり髭をのばしたり大げさな眼鏡をかけたりしながら)精力的に活動を続けており,DowChemicalやHalliburtonのスポークスマンになりすますなどしつつ,今も世界に世界の欺瞞をばらまき続けている.

We live in dark time; laughing is important. We hope have had some laughs reading about our escapades as WTO spokesmen. Unfortunately, the real-world impact of the policies these clowns are administering is no laughing matter.

Fortunately, there are some very smart people doing very smart work to try to turn this situation around. You won’t find them at the WTO, you will find them in activist organizations spread around the world, working out of cramped offices for little money and with few resources.

They could all use a hand - yours.

Here are some resources to help steer you in the right direction, whether you want to volunteer, make a donation, or educate yourself. The list is not exhaustive; a comprehensive review would fill an entire book in itself, and would quickly become our-of-date, as the movement is very dynamic. What we hope to provide you with here is a way in: get connected with any of these folks, and you will be part of the movement.

なお,「The Yes Men」については共に「The Yes Men JP」のローンチを画策している朋友ドミニク・チェン(ICC研究員/東京大学)によるInter Communication No. 59 (2007 Winter)における論考「可塑性・批評性・対称性について」の他,下記リンクも参照されたい.

http://www.halliburtoncontracts.com/about/index.html
http://www.youtube.com/results?search_query=yes+men&search=Search
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1005787

遠藤拓己


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